お医者さんはシューフィッター 整形外科医との連携に必要なシューフィッターの知識 橋間 誠

●覚えておきたい骨粗鬆症の知識

 男性も骨粗鬆症になりますが、特に女性は45~50歳を超え、閉経しますと著明に骨粗鬆症が悪化していきます。
 女性はほとんどの方が、閉経後、年3%ずつ骨密度が下がります。つまり、50歳を超えると女性は急速に骨粗鬆症になっていきます。(図1)そのため、年に1回は、整形外科で骨密度を測定してもらうことが重要です。

骨量を指標とした原発性骨粗しょう症診断基準

 骨粗鬆症の原因はカルシウム不足と考えがちですが、日本人女性のカルシウムの意識は年々高くなっており、十分なカルシウムをとっておられる方が多くなっています。しかし、骨粗鬆症になっていく方は多く見受けられます。この理由は、骨粗鬆症の原因の多くが、腸からのカルシウム吸収がうまくできない、また、必要以上に骨の細胞が壊され、大量に尿中に排泄されているという点にあるからです。

 つまり、カルシウムを多く摂取してもこの2つの原因を治療しないと骨粗鬆症は進行していくのです。この事実は、世界の多くの医師が、骨粗鬆症が食事、運動療法だけでは予防できないことを証明しています。骨粗鬆症を予防するには、腸からのカルシウム吸収を改善する活性型ビタミンD製剤の内服、さらに必要であれば、尿中に排泄されている骨の成分を測定してもらい、骨代謝を改善する薬を内服していく必要があります。これらの治療は、どこの整形外科でも検査、診断の上、受けることができます。適切な食事と運動と、適切な靴をはくことだけでは姿勢の老化は止められないのです。(図2)

覚えておきたい、骨祖しょう症の知識

橋間 誠(はしま まこと)

医療法人橋間診療所理事長・院長(http://www.move-like-flowing.com/
メディカルフィットネススタジオムーヴ・ライク・フローイング施設長
日本整形外科学会認定医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本医師会健康スポーツ医
ネバダ州立大学公認 ピラティスインストラクター
・1966 年 生まれ
・1991 年 近畿大学医学部卒業
・1997 年 医学博士号取得
・2007 年 医療法人橋間診療所理事長・院長に就任
・2010 年 FHA シューフィッタープライマリーコース認定取得

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