お医者さんはシューフィッター 整形外科医との連携に必要なシューフィッターの知識 橋間 誠

●姿勢を見れば診断できる

覚えていただきたい姿勢には5 つのパターンがありますが代表的なものを説明します。よく見られる悪い姿勢の一つは、凹円背変形と言います。(図4)

この変形は女子に多く見られ、腰が反っているため、姿勢が良いと勘違いしている場合がよくあります。腰椎は反っている、お尻が突き出ている、お腹に力が入ってない、胸を張っている、というのが特徴です。

胸を反った姿勢で、年齢と共に背中が丸くなってくると、そのつなぎ目で圧迫骨折を起こしてきます。これを防ぐにはどうすればいいか。まず、胴周りのインナーマッスルをトレーニングします。これにより、腹腔内圧があがると、上半身の重みは腰椎だけでなく、腹腔が支えてくれるようになります。この姿勢の特徴は、大胸筋、大臀筋、腹直筋を全然使わずに生活している、逆に脊柱起立筋、背骨が反っているので緊張して収縮している。これをストレッチしていくことで骨盤の傾きは矯正され、姿勢は改善します。もう一つ、よくある姿勢の変形は平背です。(図5)

正常の脊椎は横から見るとS 字状に湾曲し、スプリングの役目をしています。平背変形の人は脊椎がまっすぐになっています。上半身の重みがまっすぐ腰椎に乗ってきますので、腰椎の椎間板がつぶれていきます。この変形は男性に多く、猫背で、腰を丸めているのが特徴です。先ほどの凹円背変形と同様にコアトレーニングと、大腿屈筋のストレッチと背筋の強化です。

橋間 誠(はしま まこと)

医療法人橋間診療所理事長・院長(http://www.move-like-flowing.com/
メディカルフィットネススタジオムーヴ・ライク・フローイング施設長
日本整形外科学会認定医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本医師会健康スポーツ医
ネバダ州立大学公認 ピラティスインストラクター
・1966 年 生まれ
・1991 年 近畿大学医学部卒業
・1997 年 医学博士号取得
・2007 年 医療法人橋間診療所理事長・院長に就任
・2010 年 FHA シューフィッタープライマリーコース認定取得

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